
透析医療に2008年より携わっていますが、実際に必要な食事量を満たしている方は意外と少ないように思います。
近年透析を受けておられる方だけでなく健常者でもサルコペニア(筋肉量の低下)の改善で健康寿命が延伸すると言われています。透析では治療の際、筋肉のもととなるアミノ酸が除去されてしまうため、それを補う食事摂取方法がとても重要となります。特にアミノ酸の元となるたんぱく質の摂取量が不足してしまうと、筋肉量の維持、増大は難しく逆に減少してしまいます。
当院は透析によるアミノ酸の除去を考慮し、さらにたんぱく質の摂取を意識していただいております。その結果、当院の患者さんの平均年齢が全国平均を上回る中(図1)、生命予後因子のひとつで筋肉量の指標である%CGRは全国平均を大きく上回っております(図2)。食事とは空腹を満たすものだけでなく、心も満たすものであってほしいと考えます。いつまでも元気に自分で動けるからだを維持するために、おいしく楽しく食事をしていただくお手伝いをさせていただきたいと思っております。